マンガタイトル

ある日のこと。Vol.12

ひたすら寝る、ねる。ネル。。
グガァ〜〜グワワァ〜。

かあちゃんは、昼寝していた。

左手によっきー、右手にこっきーをはべらして
まるで、ハーレム状態で・・鼻ちょうちん。

クゥカァ・・ムニャムニャ・・ウガ・・グワッ

一人+2匹の寝息・寝言・イビキの競演は
ウィーン・フィルハーモニア弦楽三重奏団も
まっさお!になるに違いない。

それはそれは、優雅な午後の・・・・
紅茶がぴったりの休日であった。
いでぇぇぇぇ〜〜〜〜!!
ギャァ〜〜〜痛いぃぃ〜〜。

こっきーは、とても寝ぼけていた!
かあちゃんの顔を踏んづけながら
恋しいよっきーを探して彷徨っていた。

かあちゃんは、もっと寝ぼけていた!
「あたしは女優よ!!顔だけは止めて!!」
とかなんとか、ふざけた事を言いながら
再び心地よい眠りにつく。 はずだった・・・。

しか〜〜し、顔を踏んづけたあと、ついでに
乳まで踏みつけられた、かあちゃんは・・・

ぎやああゃゃぁぁーーっ!っと、悲鳴をあげて
飛び起きるはめになったのであった。
あ〜〜、迷惑な奴がきた。
兄ちゃん、めっけ!ドンッ!!

ムギュ、グリグリ・・ムギュー。

よっきーの背中にドンッ!!と覆い被さり
かあちゃんとよっきーとのわずかな隙間に
グリグリする姿は、満員電車の座席のわずかな
隙間にグリグリ侵入するオババのようであった。

全くもって、ずうずうしい弟じゃ・・・。
ここで前回のマンガに引き続き聞いてみた。
あ〜〜こっきー君、きみねぇ。
もう少し兄を立てよう、とは思わのんかね?

こっきー⇒・・・ぜんぜんっ!(某CM風に読む)

全くその気はないらしい!こっきーであった。
さすらいのこっきー、獲物を発見。
グワァァァガァァ〜。


案の定、とうちゃんも昼寝していた。
ほとんど意識不明状態で眠りこけていた。

そこへ、さすらいのこっきー君。

定宿を持たない彼は、毎回寝ぼけながら
その時々の体温にあわせて彷徨う犬。


今の彼の希望体感温度は、36,8度!
運良く目の前に36,8度が寝転がっていた。

しかし・・・彼の目的はそれだけではなかった。
密着ぅぅぅ・・・・・。
ぴったん・・・ぴとっ!・・・・。


ぴったん、ぴとっ・・・・・・・。
し〜〜ん・・・・・・・・・・・・・・。

相変わらず
ぴとっ・・・・・・・・・・・。
し〜〜ん・・・・・・・・・。

とうちゃんの鼻と口の上に顎を密着させ
じーーーーーっっ、と動かぬこっきー君。

眠りこけているとうちゃんは、自分の身に何が
起きているのか、全く気がつかないのであった。
な、なに?なんか息苦しいぃぃ。
うぐっ・・・ぐっ。。


しばしのち、わが身の異変に気づいた
寝ぼけとうちゃん。


しかし、そこはほれ!寝ぼけの宿命とでも
いうのか、即座に状況の把握が困難であった。

うぅぅ・・な、なんか・・ぐ、ぐるじいぃぃ・・。
うぅ・・・なにがどうなって・・るんだ・・。
だ、だれか・・・だ、だずけて・・・。


この状況を冷静に見つめる女がひとり・・・。
ぐわぁーーー、しぬぅぅ。。
し、しぬぅぅぅ!!!

この状況をどのように説明すればいいのか。

当の本人が伝えられれば、一番的確なのだが
あいにく彼は今、死にそうになっているので
経験者のかあちゃんがお伝えすることにする。

このこっきー君の行為は、巷間伝えられている
キャバリアの「ペタリンコ攻撃」とかいうらしい。

寝ている人間を見つけると、おもむろに近寄り
鼻と口に、自分の顎をピッタリ!と密着させて
微動だにしないのである。

息苦しくなった人間が、顔を左右に動かして
どけようとすればするほど、犬の方も力を発揮し
グイグイ押し付けてくる、必殺技である。
な、なにすんねん!この犬は!
うわぁーーーっ!!

窒息死寸前でやっと正気に戻ったとうちゃん。
ニコニコしながら舌を出すこっきー君。

彼のこの行為は、一体何なのか?
こっきーは、この行為をどこで覚えたのか?
よっきーは、一度もした事がない・・・。
こっきーのDNAに組み込まれた遺伝子だろうか?

この行為は多くのキャバリアオーナーの間でも
いまだに謎の行為として語り継がれている。

一部始終を見ていたかあちゃんは、ふと考えた。
世界の犬辞典の解説によると、キャバリアとは
イギリス貴族に寵愛された、膝ぬくめ犬のはず!
完全犯罪可能な暗殺犬とは書いてなかったが・・。

よっきー 1歳10ヶ月 体重 6.9Kg  こっきー 8ヶ月 体重 7.5Kg の頃のできごと。


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