わんと暮す【犬は神様からの贈り物】


*犬と暮す*

それはとても大変な生活でもあり,とても素晴らしい生活でもあります。
このページは,私達夫婦が2頭の犬達と暮してきた1999年の1月末から,2003年の5月現在までに,
犬との生活で学び,成長させられたことを書き残すべく作ったものです。
これから犬と暮らしたいと思っている方や、犬との生活で悩んでいる方に読んでいただければ幸いです。

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当ページにおいて「犬」という書き方をしていますが,私は本来,犬という呼び方はしません。
通常は犬のことを「わんちゃん・わんこ」と言います。
ただ、この言い方は犬を飼っている人の中では通用しますが,世間一般では「犬」と言われています。
犬のオーナーの中には、犬という言葉を使うのを嫌う方も多いと思いますが,このページでは私はあえて
犬と記載しています。
なぜなら、このサイトは犬のオーナーの方だけが見ているわけではないからです。






*はじめに*

私達夫婦には子供がいません。そして共働きです。
「宵越の銭は持たない」という楓(サイト管理者)の主義通り,使いまくりの生活をしていました。
犬と暮らせるようになった第一のきっかけは、今の住まいであるマンションを購入したことから始まります。

数年前のある日,会社で日経新聞を見た私は,とても気に入った分譲マンションの広告を見つけました。
家は賃貸で気楽に暮す!という私達夫婦だったのですが「ここいいなぁ〜。場所もいいし住みたいなぁ〜。」
と,思った私は,身内付合いの社長に「社長〜,この広告のマンション買って,うちに20万で賃貸しない〜?
ここなら将来の資産価値は簡単には落ちそうにないし〜,投資にもいいんじゃない〜」 と,広告のビラをヒラヒラさせて見せました。
ビラを見た社長は「ここいいじゃん!君達,いつまでも賃貸じゃなくてそろそろ買いなさいよ」と言いました。
すっかりその気になった社長は「ほら,明日が第一期分譲の申し込み締めきりだから見に行こう!」と・・ 。

予想に反する反応で,すっかりがっかりした私は「マンション買う金はない!」と,きっぱりと断ったのですが,
うちの社長って,乗気になるとかなり強引な性格なんで,すでに勝手に販売会社に電話してしまいました。
「明日見に行くのですが,申し込みに必要なものは,云々かんぬん・・」などと・・。
おまけに自分の家に電話して「○○君がマンション買うから明日見に行くよ〜」などと,ほざいていました。
暇な社長の家族は面白がって,一緒にモデルルームに行くと言うことになってしまっていました。
そんなこんなで,夫の職場に電話し,とりあえず見に行くだけ行ってみようか〜と,翌日,モデルルーム見学に社長家族と一緒に行きました。

まるで,自分達が暮らすかのように「いいわぁねぇ〜,いいねぇ〜。素敵よねぇ〜」と,大乗り気な第三者の社長ご家族一行様・・。
ローンを抱える不安で,いまいち乗気になれない私達夫婦とは逆で,すっかり気に入ってる・・。
私は,適当に現地販売員の話しを聞いて,ほげぇ〜っと,完成予想図の模型を眺めていたら,突然,販売員のおねえちゃんが 「動物お好きですか〜?ここはペット飼育可能なんですよ〜」と,言いました。
「なぬ?ペット可??ほんとですか?」と,聞き返しました。

子供の頃から犬がいる環境で暮していた私は,いつか犬と暮したいと思っていましたので,このペット可分譲物件は ぐぐぅぅ〜っと惹かれるものがありました。しかし,賃貸の気楽さがやっぱり捨てがたい私達は,まだ悩みながら 「どうせ抽選だし,くじ運悪いし,当らないから,まぁいいや〜」と,申し込みだけはすることにしました。
その夜,販売員のねえちゃんから電話がかかってきました「おめでと〜ございます。当選しましたぁ〜♪」
公開抽選じゃないのって,とってもいいかげんなのね〜。

それから約1年半後,完成したマンションに入居,忙しかった仕事も少し楽になり,時間的余裕ができた私とは
裏腹に,夫は恐怖の職場に移動になり深夜帰宅の3年間が始まりました。
暇とストレスが重なって,犬がほし〜い病にかかった私は,犬嫌いの夫を説伏せ(半分脅迫気味に)ました。
そして上の子よっきぃと下の子こっきぃが来て,犬と暮す大変かつ楽しい生活が始まることになりました。
今思えば,社長が重い腰を押してくれたお陰で,よっきぃ・こっきぃと暮らしているのです。社長感謝です。

ペット不可の住宅で内緒で犬を飼う人もいますが,それはとてもいけないことです。
バレなければいいんじゃない?ではなくて,それがその住宅の重要なルールだからです。
社会には,生きていく上で必ず守らなければならない規則や義務があって,それがあるからこそ,私達は快適な生活ができているわけです。
そういうルールが守れない自己中心的な人は,犬と暮らしてはいけません。
飼い主も犬も堂々と生活できる事が,ペットと暮らす大切な始めの一歩だから・・・。







*よっきぃの紹介
キャバリア・キングチャールズ・スパニエル  1998年12月16日生れのトライカラーの男の子

*こっきぃの紹介
キャバリア・キングチャールズ・スパニエル  2000年 2月11日生れのブレンハイムの男の子

よっきぃとこっきぃがうちの子になったいきさつは→キャバ兄弟物語プロローグでご覧いただけます。
プロローグを見に行っちゃう人は,ブラウザの「戻る」で帰ってきてくださいね〜。(^.^)/~~~






*よっきぃとの暮らし*

兄犬(血のつながりはありません)よっきぃは,小さい頃からとても神経質の淋しがりやでした。
留守番でもハウスの中でも,一人でいることを極端に嫌う子で,いつも人の側にべったりしたい子でした。
キャバリアという犬種は,古くから英国王族達のお膝温め犬として,常に人間のそばに寄添って生きてきたようですが,よっきぃもその傾向が強く受継がれていたのかもしれません。
そんな子なので,家に誰もいない生活が精神的にとても辛かったようです。
留守中は精神的ストレスによる下痢や嘔吐を繰り返し,毎日帰宅すると嘔吐物や下痢を撒き散らしていて身体やハウスの中はぐっちゃぐっちゃに汚れていました。

身体をきれいにして,ベッドやシーツを洗濯し,また夜中にぐちゃぐちゃになり,朝起きてきれいにする。
寝るときにハウスに入れると,嫌がってヒュンヒュン鳴き,出せだせ〜!とハウスの中でひたすらジャンプを
繰り返し,ハウスの天井に頭をガンガンぶつけてしまう・・。バカになるんではないかとマジに心配した。
そして,明け方になって身体やベッドが汚れると,また鳴きだしてその声で起こされ身体を拭ききれいにする。
日々の平均睡眠時間は4時間もなかった。
しょっちゅう食べたフードを吐いて,胃の中はからっぽ状態で空腹になり,胆汁まで吐いてしまうのだった。
私にとって,こんなタイプの犬は初めてだった。

普通,犬というのは自分で吐いた物はまた食べるらしいが,よっきぃはそんなことはしない子だった。
できるだけ長い時間空腹にしないように,少しでも早く家に帰ってよっきぃにご飯を食べさせることが,良い対処方法だと言われ,しばらくの間は仕事も定時で帰らせてもらえるようにした。 私は会社で管理職として指導する立場にいるわけで,こんな理由で早く帰るというのは,自分自身非常にストレスだった。

犬と暮らす人にとっての犬の存在は,子供のようなものでも,そうでない人にとっては「タカが犬」なのだ。
犬のために仕事や立場を犠牲にする事は,一般的に受け入れられるものではないというのは十分分っている。
私にとっては子供のような存在の犬でも,その価値基準は人によってさまざま。
もし自分が犬と暮らしていなくて,自分の上司がそういう理由で何ヶ月か定時で帰りたいと言ったら,私は呆れるはずだ。

だが,例えどんな風に思われようとも,私がそうしなければ,これを乗り切らなければ前に進めないと思った。
定時で家に戻り,身体を洗いご飯をたべさせ,ハウスをきれいにし,家の中でよっきぃを自由にさせる。
どうしても自分がやらなきゃならない仕事があって,それが深夜までかかる日は,一旦帰りよっきぃを連れて会社に行って仕事した。

そんな追い詰められたような生活が何ヶ月も続き,そして私はノイローゼ状態になった。
この子はどうしたらストレスが緩和されるのだろう?私が家にいればいいのだろうけど,それは無理なこと。
どうしたら,どうしたら?・・本も沢山読んだ・・専門家に相談もした・・当然,獣医にも何度も連れて行き相談していた。 でもこれといった解決策が見つからない・・・。
犬との暮らしって,こんなはずでは・・・と,一人涙しながら,本当に嫌になることもあった。

犬嫌いの夫を説得したとき「犬との生活は楽しいよ〜。きっちり面倒みるからさ」と言った手前,夫の葵には愚痴
も相談もしたくなかった。彼が何かと手助けしてくれるだけでも有難いことだった。
幸い,よっきぃをお世話していただいたSHOPのオーナーが色々と相談に乗ってくれて,解決策は見つからなくても 話を聞いて一緒に考えてくれる・・それだけで気持ちが楽になった。
「おかあさんが神経質にならないで,肩の力を抜いて・・」と言われたとき,フッと軽くなっていくのがわかった。
「留守番だってそのうち慣れてくるわ。病気じゃないんだから,身体が元気なら多少汚れててもいいや。」
と,それまでの考えを捨てることにした。
それからは,飼育本に頼らない自分流のよっきぃとの関わりで,気楽にやっていこうと思うようになった。

そして,うちに来てから半年近く経った頃には次第によっきぃも環境に慣れたのか落ち着きはじめ,ストレス性下痢も嘔吐も 夜鳴きもなくなってきた。
しかし,その年の暮れ,よっきぃが1歳になった頃,急に明け方ヒュンヒュンと鳴くようになった。
ハウスを覗いても異状もない様子なので,しらんぷりしてほっといたが,それは1週間毎日続いた。
一体なんなんだろ〜?と考えた結果「この子はやっぱり一人が辛いんだ・・我慢してたんだ・・」と,私なりに感じた。 そりゃ〜淋しいよね,ただでさえ人間大好きなのに,落ち着いて来てからは,また毎日仕事で帰りが遅いし ハウスからでれる時間だってほんの僅かの時間で,またすぐにハウスで寝かされる時間が来る。
そんな生活,私がよっきぃだって嫌だ・・・。

「もういいや,この子と少しでも長く一緒にいられるよう,私達のベッドで寝かせよう」と,心に決めたのは
年が明けた元旦だった。
犬と一緒に寝ると犬がいばりんぼになるアルファ化になりやすいので良くないと,飼育本で読んでいた私は,アルファ化するのは飼い主次第だと自覚をし,そんな風にさせなければいいのだと思った。
そしてその夜から,よっきぃの夜鳴きは全くなり、私達のベッドの上でへそ天になりぐわぐわぁ〜と寝ている。






*こっきぃとの暮らし*

こんな楽な犬がいるのだろうか?こっきぃがうちに来てから5ヶ月近く,私達夫婦はそう思っていた。
トイレは1回で覚えた。吠えない夜鳴きしない。コマンドも全部よっきぃを見て覚えていった。
何一つ教えなくてもちゃんとできる・・。下痢も嘔吐もしたことがない。
病気にもならない・・なんていい子なんだろう〜♪ 唯一,兄犬よっきぃに対してはやんちゃぶりを見せて迷惑がられていたが,私達には最高の犬だと思えた。

生後半年が過ぎた8月の終わり,こっきぃの3回目のワクチンも終わったので,よっきぃ&こっきぃを都心の大きな公園に遊びに連れて行った。
公園の入り口を入ってすぐ,大きな怖そうな雰囲気の犬が2頭,ノーリードで飼い主の側を歩いていた。
それを見た瞬間,こっきぃがものすごい声で吠え出した・・。 その光景に私達はとてもビックリした。
この子,吠えることができるんだ・・・それが私達夫婦の感想だった。
その時はまだ,呑気にそんなことが妙に新鮮だった。
しかしその後,公園内をギャンギャン吠えながら散歩する吠え止まらないこっきぃを見て,がっくりうなだれた。

それからが,私達夫婦の苦労と,ストレスと,赤っ恥の日々の始まりだった・・。
外に出るたびに興奮して吠えまくるようになったこっきぃは,どれほど制止しても叱っても聞く耳を持っていなかった。 犬でも,大人の人間でも,子供でも,自転車でも,公園の鳩でも・・・なんでも興奮してギャンギャン吠え始める。 制止しようとすると,まるで虐待でもしているかのようによけいに酷く吠え出した。
みんなが振り返る・・・。うるさい犬だな!どういう躾してんだ?・・・。冷たい視線が突き刺さる。
人に迷惑がられることが一番嫌いな私は,こっきぃの吠え癖と興奮癖にまたまたノイローゼ状態だった。
口には出さないが,夫の葵もげんなりしているのがわかった。
なんでこんなに見るもの全てに吠えるのだろう・・。吠えることには必ず意味がある!と,よく言われているが,
こっきぃの場合は,専門家でも分らない状況だった。

うんざりした・・外に連れて行くのが怖かった・・・。なんでこの子を買ってしまったのだろうと,後悔もした。
この子がいなければ,穏やかなよっきぃと優雅な散歩もできる・・。どこだって恥ずかしくなく連れて行ける・・。
しかし,縁があって私が決断してうちに来た子なのだ。悩んでいても仕方がない。
気が狂ったように興奮するからといって,この子を家に置いて遊びにでかけるなんてもっと嫌で辛いことだ。

本当に,この状況をなんとかしなければいけなかった。
そして,こっきぃが11ヶ月になった2001年1月,相談した人に紹介された獣医のカウンセリングとしつけ教室に
行く事にした。 問題のないよっきぃも,こっきぃと一緒に受けることにして,家族で毎週土曜日4ヶ月通った。
そこでは毎回1時間カウンセリングで話を聞いてもらい,その後のしつけ教室に参加,いろんな方法を試した。

他の犬に慣れるようにいろんな犬がくる場所にしばらく置いてみたらどうだろうか,と言う事でカウンセリングの獣医さんに こっきぃを1週間預けて病院の診察室に置いてもらい,診察などに訪れる動物に慣れるようにもしてくれた。 ともかくいろんな状況に慣れさせるために,寒い冬の公園で家族みんなでベンチに座り,通り過ぎる沢山の人や犬に慣れさせるように,何時間もじっと座っていた。
私は,なんでこんなことをしなければならないのだろう・・。と,寒さに凍えながら涙がでそうな気持ちになった。
興奮を抑えるホメオパシーのレメディを処方してもらったりした。しかし,どの方法も効果は薄かった。

興奮症の犬になってしまってから8ヶ月目が過ぎた。私達夫婦は疲れ果てていた。
去勢すれば多少落ち着くかもしれないと,よっきぃと一緒に去勢手術をした。
これには実はかなり期待していた・・そして少しづつではあるが,落ち着きが早くなって制御しやすくなってきた。 でも日によって,興奮の度合いが違う事も多く,酷いときはやはり凄かった。
SHOPのオーナーがしばらく預かって様子を見させてほしいと仰った。ほんとにアフターケアがしっかりできる人だ。 しかし,賢いこっきぃくんにこの手は通用しなかった。
借りてきた猫のように従順で大人しいいい子こっきぃを演じたそうだ。
そしてやっと私なりに理解できたことが一つ・・・
こっきぃは,よっきぃと一緒だと興奮して自分がお兄ちゃんを守ろうとすること・・・。

よっきぃは外では,どんな人や犬でもすばらしく好意的に尻尾を振って愛想をフリフリする犬である。
世の中に相性の悪いものはないと思っているような子で,相手に唸られてもへっちゃらな子なので,こっきぃはお兄ちゃんは 自分が守らなければと考えたのかもしれない。
2匹が外で他の犬に逢った時でも,その子がよっきぃにご挨拶を始めると,こっきぃがその子に対して身構え始める。
その子がよっきぃに戦闘的な態度でもしようものなら,いきなりウガガァ〜と,今にも噛み付きそうなこっきぃ。
実際、そういう場面でよっきぃに唸った犬のシッポに噛み付いたこともある。
他の犬がよっきぃに仲良くしようと好意的でも,これまたやきもちを焼いて身構える・・・。
どうしようもないね・・・こっきぃ君よ。 こんなんじゃ,君は社会との共存なんてできない・・・。

そして,いよいよ最後の頼みの綱と決めていた,訓練士にお世話になることに・・。
幸い友人に優秀なドッグトレーナーがいた。
こっきぃが外で興奮するようになって間もなくだったが,友人の訓練士に「早めになんとかしないと悪癖になって
しまう。」と,言われていたので,その時点で訓練も考えていた。
しかし,うちに通ってもらうには往復2時間かかるので,そのとき抱えていた頭数との兼合いで時間的な都合が
つかなかった。
知合いの訓練士の男性でよければ紹介すると言ってくれたのだが,訓練の時間が日中の私達の不在時だと家の鍵を預けることになる。他人の男性に鍵を預けるのはなぁ〜・・。と,結局あきらめた経緯がある。

でも最後はこれしかないと,友人の訓練士に相談し,よっきぃとこっきぃを一緒に訓練してもらうことにした。
こっきぃのお兄ちゃんを守る!という性格から,2頭を同じ状況でやらないと意味がなかったから。
そして,週に5日毎回1時間,自宅へきてもらって訓練をしてもらうことにした。
平日は私達が出社するために自宅を出る時間にきてもらい,2頭を連れて外で訓練して帰り,身体を拭いてくれて用意しておいたご飯をあげて帰ってくれる。
土曜日の訓練は,会社が休みの私達夫婦も同行して色々教えてもらい,状況に応じた対処方法を習得した。

2002年の2月から6月まで,およそ4ヶ月間で,80回の訓練を終えた。
興奮しやすい性格は簡単には治るものではないが,こっきぃ自身が自分を抑えることを学び,以前のような気が狂ってるんではなかろうか? と,思えるような興奮症は落ち着き,私達夫婦に光が見えてきた。
そして私達も,こういうときはこうすれば落ち着いてくるということを学んで,精神的な余裕もできた。
悩みぬいた期間も,こっきぃの興奮を制御するために,それまでに使った金額も半端ではない。
カウンセリングから始まり、訓練を終えるまでに,100万近くかかっている。
でも,外で興奮してどうにもならないこっきぃではなくなった今,精神的な安堵感は時間やお金には変えられないと思っている。

訓練終了前は,訓練の時間を朝6時開始に変更してもらって,毎朝私達夫婦も同行し学んだ。
訓練を終えた後に,自分達飼い主がきちんとできなければ,元に戻ってしまうから。
うちは夫が毎日深夜近い帰宅なので,夕飯食べて寝るのが午前2時近くになってしまう。
なので,この期間も睡眠時間は3時間半しかとれなくて,ヘロヘロ・・ほんとに倒れるかと思った。
でもみんなで頑張ったから,ここまで良くなったんだと思うと,最後の訓練の日は感無量だった。
友人の優秀な(強調しとこ・・)ドッグトレーナーのお陰で,ここまでこれた事に深く感謝している。

余談だが,巷間言われている,父犬と母犬の性格を見て子犬を購入しなさい。というのは,どうも間違っているような気がする。 なぜって・・・こっきぃのパパ犬とママ犬は「こんなにおっとりしてていいのかぁ〜?」と,気合いをいれたくなるようなキャバリアである。
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こっきぃへ

ママは,同じように育てたはずだった。
神経質な先住犬のよっきぃがひがまないように,上下関係だけはちゃんと理解できるようにした・・。
こっきぃの両親犬は,とても穏かで,本来のキャバリアの良さを兼備えた,素晴らしい犬達。
なのに,なぜこっきぃはこんな風になってしまったのだろう・・。
家の中ではとても大人しく従順で吠えないこっきぃが,一歩外に出たとたんに興奮犬に豹変する。
そのあまりにも極端な変貌振りは,パパとママは呆気にとられるほど。一体なんで??
甘やかして育てた覚えはない。親ばかではあるが,甘やかしだけはしていない。
だってママは,犬のために盲目になるような愚か者の飼い主を軽蔑してるから・・。
だから,何がいけなかったのか?ママは自問自答し,どれほど振りかえってみても分らなかった。

だけど,それを追求することは止めた。ずっと悩み続けて,やっとわかったから・・。
こっきぃは,誰よりもお兄ちゃんが大好きで守りたいだけ・・。
自分の群れを守るために,神経をすり減らして,がんばってるこっきぃ。
24時間,いつでも神経を研ぎ澄ましていて,ぐっすり寝てることがないよね。
けなげでいじらしい,こっきぃ君。
ほんとうはお兄ちゃんが,こっきぃを守る役目なんだけどね。
だけど,お兄ちゃんは,そんな本来のワンコの性格を持って生れてなかったからね。
でもさ,これからはもう少し肩の力を抜いて生きて行こうよ。

だってお兄ちゃんは,ちゃんとこっきぃのこと守ってるよ。
こっきぃが足を傷めた時,ママが心配してこっきぃのそばにいても,痛くて泣いていたよね。
そして,こっきぃが泣くたびに,お兄ちゃんがママに向って何度も吠えて怒ってたんだよ。
「ママ!こっきぃに何すんだよ!酷いことすると許さないぞ!」って,顔して怒ってたんだよ。
ママは心配してそばにいただけなのにね・・。






*しつけのこと*

よっきぃ・こっきぃは,2001年の1月から通ったしつけ教室に行くまでは「座れ・まて」だけしか教えていなかった。 「伏せ」を教えなかったのは,外で伏せさせるなんてお腹が汚れるから嫌だったんだよねぇ〜。
しつけ教室主催の獣医は,アメリカ式の誉めて躾け,上手にできたらおやつをあげるやりかただった。
初日からしつけのコマンドは英語に変更するように言われた。
例えば,座れのコマンドでも「おすわり・座れ・おすわりしなさい」とか,日本語だと色々あって統一することにおいては,英語のコマンド「シット(ツ)」のほうが犬は理解しやすい。と,いう理由でだった。

この子達はずっと日本語でのコマンドだったのに,いきなり変えてまたフリだしに戻るのかと心配したが,その日のうちに覚えた。 人間の手の動作とコマンドとわんこの動作の関連づけってすごいものなんだね。
そして「伏せ・つけ」を覚えさせるように言われた。
伏せは簡単に覚えたが,こっきぃは,伏せ=服従というのが嫌らしく,家ではできるのにしつけ教室では固まったようになって,なかなか頑固に伏せをしたくない様子が続く。
どうも、他人や他のワンコがいる前で服従するのが嫌らしい。

よっきぃも家では全てのコマンドをきちんとやるのに,教室では例えおやつがもらえてもやらない。
よっきぃの場合は,おやつで躾るということはまったくもって無理な子だった。
絨毯の上なら座っても伏せてもいいけど,こういう場所は身体がばばちくなるから嫌なんだよ〜。って感じ。
ほんと,いろいろ難しいよっきぃ・こっきぃだったわ。

これが外でもできるようになったのは,訓練士に訓練をやってもらってからだった。
あ〜でも,よっきぃは訓練中に信号待ちなどで座らせると,ここ汚いから座るのやなんだけどなぁ〜。
と,いうような目で見上げると,訓練士も笑っていた。
よっきぃは,外にでるとしっかり自分の世界を築き上げていて,自然と戯れ,人に愛想振りまいて歩くタイプ。
「お花さん、今日もきれいだね。匂いかいでいい?あっ,落ち葉さんだ、待ってぇ〜♪」
「あっ,きれいなおねえさん〜。僕を可愛がってぇ〜♪」と,万事がこんな調子。
ほんとによっきぃは、万事マイペースだから集中させることは,こっきぃよりも大変だったようだ。

よっきぃとは逆に,こっきぃはとても従順に訓練士のコマンドに従っていた。
訓練士「こうにゃん,向こうからわんこが来たけど,NOだからね。」
こっきぃ「あい、わかりました。NOなんですね,ぼく耐えて頑張ります。」
訓練士「こうにゃん,公園に鳩がいるけど,NOだからね。」
こっきぃ「あい,らじゃです。NOなんですね。」(ん〜〜ん・・食っちゃいけないということなんだろうか・・??)
なんて会話はなかったかもしれんが,ま、こんな感じでよく精進していたらしい。

躾の中で「つけ」は,非常に難易度が高いし,できていても毎回繰返し訓練していかないとすぐに前に出たがったり好き勝手に歩いていき行きたがる。
今でも2頭一緒だと特に,自分が先に歩きたいから頑張って引張ってしまう。
つけを忘れているわけではなくて,犬というものは自分がリーダーになりたがる習性があるかららしい。

そんなわけなので、リードを持っている人間が,今日は疲れているから一生懸命やらなくてもいいや。と、思うと 犬にはその気持が通じてしまい,今日は引張ってもいいんだ。というふうに解釈してしまうようである。
犬も真剣にやっているわけだから,やる人間も真剣に取組まなければいけない。
だから自分が肉体的や精神的にきつい時は,訓練はしないほうがいいと聞いた。
しつけや訓練って,大変だけど毎回継続してやって一生続けるものなんだって。






*病気のこと *

よっきぃ編

*胃腸障害
よっきぃは,上にも書いたとおりストレス性の胃腸障害で頻繁に病院通いをした。
しかし,私が投薬や注射による症状を抑えるだけの治療を好まないことと,かかりつけの獣医もそれを好まないことで 最初の頃に何回かは下痢や嘔吐止めの投薬をしてもらったが,ストレス性なので長く続きそうなことが予測され 結局投薬はやめて,病院に行っても全身状態をチェックしてもらい状態を話して様子を見ることだけだった。

*耳の発疹
よっきぃは耳の中が時々赤くなって痒いときがあった。 普通の病院ではステロイド軟膏などで治療していくのだけど,私は当然ステロイドなんてまっぴらごめん!なので, 赤くブツブツがでているときだけノンステロイドの軟膏をもらった。

*乳歯抜歯
これは,9ヶ月の頃,完全に飼主の注意不足による,乳歯の残存だった。 犬ガムや硬いものを与え,自然にうまく抜けてくれるような努力はしていたが,確認を怠ったのだ。 気がついたときは,犬歯のところに永久歯が重なって生えはじめていて,乳歯もぐらぐらしていない。 病院でひっぱってもらったが,やはり無理だった。
将来,重なった歯に歯石がついて歯石の影響で病気を誘発したらいけないので,麻酔をかけて抜歯。
よっきぃ・・・すまん。。

*角膜炎
子犬の頃,家の中のどこか狭い場所にもぐり左目を傷つけたらしい。
ある朝,左が開かなくなっていたので病院に連れて行ったら,角膜が傷ついていた。 治療の点眼と内服投与が必要だったのでそれをもらい,目をこすったりしないように襟巻とかげ状態のへんな形をした エリザベスカラーをされて,家に連れてきてハウスに入れた。 動こうとするとカシャカシャするエリザベスカラーを怖がって,ハウスの隅でお座りしたままで固まってるよっきぃ・・。

気になりながらもそのまま仕事に行かなければならなかった私は,夜8時頃まで帰って来れなかった。
帰ってハウスを覗いてみると,朝と同じ場所にじーーーっと座っていて,しっこもうんちもしていない。
朝ご飯を食べていなかったので,大好きなおやつをハウスに入れて置いてあったのだが,まったく触れてもいない。
急いでハウスから出しても、その場所で固まったまま身動き一つしない。
なんか,ヤバイ! なんとしてでも,しっこはさせなければ大変なことになってしまう。と思い,トイレシートの上に連れて行ったが,そこでもまた固まる。

「もういい!目も大事だけど,しっこしないほうがもっと大変なことになる!」と思った私は,カラーをはずした。 その瞬間,よっきぃは後ろに1mほど飛退き,頭をブルブルと振って,いきなり10時間分のしっこをした。
今だかつて,絨毯の上にしっこされてあんなに嬉しかったことはない。
その後,2回ほど結膜炎にかかったことがある。

*良性腫瘍
2歳半の春,左前足の上部に米粒大のグリグリを葵が発見した。 なんだか分らないが,詳細は手術で取って組織検査をしないとわからないらしい。 年齢的にもたぶん良性の腫瘍だと推測されるが,この時期によっきぃとこっきぃの去勢手術を決めたので,それも同時に とってもらった。結果,良性のもので問題なかった。

*膀胱炎
同じく2歳半の春,千葉に遊びに行ったとき,この日は3月の末だというのに,関東では雪が降った。
外はみぞれまじりの雪,寒くて寒くて車で移動ばかりしていたので,6時間ほどトイレをさせなかった。
帰ってきた翌日の夕方,血尿が出始めた。 1週間の投薬で完治したが,これも飼主の怠慢から発生したものである。

*椎間板ヘルニア
2歳7ヶ月の夏,旅から帰った週末のことだった。 みんなでお風呂に入り,昼寝をしていた。
よっきぃは私の腕枕で寝ていたのだが,急に右後足をバタバタさせた。 異常に気がつき起きて見ると,よっきぃが立とうとしてもがいているが足が立たない。 よく見ると,右後足だけが痙攣を起していた。
意識はハッキリしていたが,自分の異常事態にどう対処していいのか わからず,ハァハァいいながらもがく。 病院に電話して,一応気道確保の姿勢を取らせ足の痙攣が収まるまで10分ほどかかった。
急いで病院に連れていき,状態を話し「てんかん発作」の可能性もないわけではないが,大学病院で検査をしなければ,どこの異常で起きた痙攣なのか不明とのこと。 これには落ち込み悩んだ。

てんかんというのは,100%てんかんだと診断されるわけではなく, 発作を起す原因として考えられる検査をして,消去法で残ったもの,それがすなわち「てんかん」なのだ。
こういう診断方法は私的には好ましくないし,全身麻酔のリスクをかけてまでやりたくなかった。

いろいろ調べているうちに,家の近くに「ペットの難病を鍼灸で治す」という本の著者で,動物の鍼灸の先駆者である獣医が開業していることを知った。
何がなんだかわからない痙攣だったが,わからないままの不安を引きずっての生活は耐えられなかったので
ともかく,ここに行ってみようと思い,予約して診察してもらったら,椎間板ヘルニアですね。と,診断された。
幸,よっきぃは非常に軽い状態で,今までにステロイド治療をしていないので,数ヶ月の治療によってヘルニアの進行を抑えることができると言われた。

治療費はとても高かったが,ともかくここに通って鍼灸治療してもらうことした。
鍼灸によって,体力も向上し元気な身体になれることも私自身自分の身体で経験していたので,身体の弱かったよっきぃにもいろんな恩恵があると信じて・・・。
当初の2週間は,日曜日以外通った。当然,毎朝会社には遅れて行くことになった・・。
そしてその後は,毎週3回の治療に約4ヶ月通った。治療費合計およそ40万円・・。

この先生の治療では,よっきぃの体質に合わせた東洋医学的アドバイスなど,多くのことを学んだ。
そしてすっかり元気になったよっきぃ君。
鍼灸治療と同時進行で,食事を切替えたことからも沢山の恩恵を受けた。
それまでは,散歩のたびに「もう歩くの嫌だよ〜。ママ,だっこして〜」と,すぐに疲れて抱っこをせがんでいた。
「甘えるな!」と,抱上げないでほっとくと道路や横断歩道の真中でも,おかまいなしに固まってしまうよっきぃだったが,それ以後,どれほど長い時間歩いても固まることもなく,楽しそうな顔でいつまでも歩いている。
本当に,この先生にはいろんな意味でとても感謝申しあげている。

こっきぃ編

*後足捻挫?
2002年夏,急にキャンキャン鳴きだし,意味不明・・・。どうも家の中で滑ったかなにかで脚を傷めた模様。
痛いらしくじっと動かないが,いつもの習慣からか、私が動くたびにキャンキャン鳴き叫びながらストーカーのようにつきまとうこっきぃ。
こっきぃは非常に痛みに弱い犬で,ワクチンなどの注射でもキャンキャンいう弱いやつ。
レントゲンを撮っても骨に異常はなかったので,捻挫程度だったらしいが,ともかくキャンキャンうるさい。
夜中でも勝手に動いて凄い声で鳴いていて,近所迷惑になったらやばいので,獣医に相談し軽い痛み止をもらった。

そして,薬を1日半飲ませたら,もうケロッとして走りまわっている。
良くなればなるべく薬は飲ませたくなかった。特に鎮痛剤などは嫌だったので、先生に報告して薬を止めてもいいか尋ねたとき,先生曰く
「あの薬でそんなに効果がありましたか?よっぽどたいしたことはなかったようですねぇ〜」と,笑っていた。
ほんとに恥かしいくらいオーバーな奴。
この子が病気にならない強い身体を持って生れてて,ほんとに安堵している。

そんなこんなで,今も健康診断などでお世話になっているかかりつけの動物病院の院長先生は,ほんとに信頼できる先生だと思う。 無駄な検査や投薬はしない,ステロイド治療も積極的に行わない。
そして何より,動物と飼主のことを非常によく考えてくれる。
緊急の場合は夜間自宅に電話して対処できる体制をとっている,滅多にいないであろう有難い先生である。






*食事のこと*

2001年夏,よっきぃの痙攣を機に,ドッグフードをやめてBARFという食事療法に変えた。
BARFというのは,外国でホリスティック獣医が提唱し,実践しているいわゆる手作り生食ごはんである。
元々,よっきぃは偏食犬でドッグフードが嫌いな子だった。
食べたくないと何日もフードを食べない・・・最高で5日間,何も食べなかったこともある。

プレミアフードを何種類も試してみたが,口にしたのは1銘柄だけだった。
それを長いこと食べさせていたが,それでも食べない日も多かった。
身体の大きさは標準なのに,横幅はガリガリに痩せていた。
散歩中に会う知らないわんこの飼主からは「この子ちゃんとご飯あげてるんですか?」と言われたりした。

なぜ私がBARFに変更したかというと,こんなに身体がよわっちいよっきぃを,心身ともに強くしなければ色んな病気がでてくるであろう老いた時に,大変なことになると思ったからであった。
だから、食事だけではなくその全体から捉えた考え方ということで、ホリスティック獣医師推奨のBARFに決めたが、このBARFの考え方はとても理にかなっている。
犬は本来、野生の狼の子孫である。ということが重要で,彼らは加熱されたものを食べないのだ。

私は人間でも加工・加熱ばかりされた食事を食べ続けることは,身体に良いことではないと思っている。
食事はとても大切な身体を作る要素だから、その身体にあった食事方法を選ぶ事は大切なことだ。
私達夫婦の食事も,添加物や農薬などの心配のない食材を自然食品店で入手し,できるだけ身体に悪い物を口にしないようして,老後に備え体質改善をしている。

ちょうどBARFへの切替時期に鍼灸に通い始め,鍼灸の先生にBARFの話しをしたら, それはとてもいい食事だから是非やりなさいと言われた。
そして,食事を変えてから色々な恩恵に預ったうちの子達だが,それをここに書くことはあえて控えておく。
私はこの頁に,手作りご飯推奨サイトにあるような,ドッグフードを否定するようなことを書くつもりはない。
例え,良いと言われている食事を与えても病気にはなるだろう。
着色料や添加物・発癌物質の入っているような粗悪なフードでも病気にもかからず長生きできる犬もいる。
だから,人それぞれの考え方と,そのわんこの固体によっていろんな食事で良いと思っている。 

このBARF食事療法は,簡単ではないしお金もかかる,勉強や知識,努力も必要である。
日本でのBARF推奨者の獣医主催セミナーにも,2001年冬から参加して今でも勉強を続けている。
しかし,これをやったからと言って,将来病気にかかりにくい身体になり元気に過せるかなんてわからない。
飼い主の自己満足で終るか、それが良かったのだという結果がでるか・・。先のことはわからない。

最近よく見かけるようになった,手作りご飯派の飼主のサイトでは,食材の情報やメニューや,サプリメント等を掲載していて,ドッグフードをあげていないことを自慢でもするかのように,コンテンツとして掲載している。
犬のご飯の内容って、人に見せびらかすものでもないし,素人が生半可な知識や受け売りだけで情報発信するのは愚かなことだと思う。
なぜなら、犬は人間のように自分が選んで食べることができないから・・。
飼い主から与えられた食事しかできないのだから,自分の身体に良い物も悪い物も食べるしかないのだ。
それらのサイトの中には間違った情報もあるし、真似をすると犬の身体にとって危険な内容もある。

そして,そういうサイトに必ず書いてあるコメント。
「固体によって違うので,危険を伴います。この内容を真似しないでください・・」 確かにその通りですわ。
んでは,真似されないように掲載しなければいいんじゃない?
一体何のために掲載しているの?

私の影響からBARFを始めたNET友達も数人いるが,彼女達はこのことをきちんと理解していて,公にもせず自分のワンコのためにだけ勉強し,頑張っている素敵な人達。
そんなわけで私のサイトでは,BARFに関する内容は一切掲載していませんし、もちろんお問い合わせなどにはお答えいたしません。






*終りに*

ここまで読んでいただいた方へ。
まだ犬と暮らした経験のない方にとっては,犬との生活ってとても大変なことだと,ご理解頂けたと思います。
そして犬との生活で悩んでいた方にとっては,私だけではなかったのね・・と,安堵されたかもしれません。
そう,ほとんどの犬のオーナーさんが通る道,それは・・・
「どうしてこの子は?なんでうちの子だけが? こんなはずではなかった・・・。」と,いうことではないでしょうか。

犬と暮らすことは,人間の子育てと同じように,愛情と忍耐と努力と根性とお金が必要です。
もちろん色んなことで,自分の生活が犠牲になることもたくさんあります。
人間の子育てと大きく違うことは,子供は何年かすれば成長して自分のことは自分でできるようになります。
でも犬は成長しても,食事やトイレの始末・散歩・健康状態など,一生面倒見なければなりません。

それらは,とても大変なことだけど,その変りに犬は生涯あなたを裏切りません。
もし私達が誰かの命令を100%聞き,逆らえずに一生を送らなければならないとしたら我慢できるでしょうか? 否!この世の中で,そんなことができる人間がいるとは思えません。
でも犬は,口応えなんかしたくてもできません。辛いなぁ,と思っても,決して文句は言いません。
自分に与えられた環境を受入れ,飼い主に気に入られることが,生きる術だと信じて
その命令には逆らわず,ひたすら飼い主に注目して生きています。けなげなほどに・・・。  

それを自分の中で,頭ではなく,心から理解できるまでには,人それぞれ,何年もかかるかもしれません。
犬との生活が初めてでも,経験者でも,その心の状態、年齢など色んな要素で違うと思います。
私自身,何年もかかりました。
そして,辛かったことが私達人間と犬達の努力により少しづつ解消されて,精神的な余裕が生まれ,色々な経験の中から家族の繋がりが強くなったときに,気がついたことは・・・。
ひたすらの純粋無垢な愛情を与えてくれる犬達のおかげで,素敵な自分に変っていくということでした。

一人の人間を内面から素敵に変えるということは,たやすいことではありません。
その難しいことを,犬は物言わず,自然に,いつのまにか,本当に心から変えてしまうのです。
もし,犬と暮していてそのように感じない方がいたとしたら,その方にはまだ時間が必要なのかもしれません。
犬に対して要求するだけではなく,愛情を持って接し,共に向い合って初めて得るものがあります。
人の喜怒哀楽を共に感じ,共に喜び,共に憂い・・・いつもどんなときも飼い主を見つめている犬。
例え,どんな劣悪な環境でも,例え,虐待されていようとも・・飼い主だけを見つめて生きています。

精神的に辛い時,イライラしたり,疲れていたり,犬の世話が面倒な日もあります。
でも,あなたの犬には,あたなしかいないのですよね。
犬と暮すこと・・誰でもできるけど,誰にでもできることではないのです。
頑張りすぎないで・・気負い過ぎると辛いから・・そして,嫌になっちゃうから・・。
しつけは大変なことだけど,人様に迷惑さえかけなければいいんだよね。
そんな風に思う気持があれば,必ず社会で共生していけるはず。
辛かった時期が通り過ぎ,やっとこんなふうに思える飼い主になれたことも私の宝物。

「犬は神様からの贈り物」という言葉があります。
私はこの言葉を,自分なりにこんなふうに解釈しています。

あなたにこの犬を預けよう・・・。
あなたの心の隙間を埋めるために・・。
あなたの人生に楽しみを与えるために・・。
そして,あなたの人生の試練のために・・・。

その使命を終えたとき,犬は神に召される・・。
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最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。
あなたとあなたの大切なわんちゃんに,幸せの光がいっぱい降り注ぎますようにお祈りしています。

2003年5月  きゃばものがたりファミリー 一同                            






犬との暮らしの中でのとても大切なことが書かれている,私の好きな頁です。

東京都健康局 動物愛護教本【犬を飼うってステキです−か?】 http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/eisei/d_suteki/su00.html

作者不詳【犬の十戒】
http://www5.ocn.ne.jp/~select/Ten-Commandments.html




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