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ある日のこと。Vol.1
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淋しいだろうと思ってさぁ、
弟、買ってあげたから 面倒みてよ!! と、かあちゃんがひどく恩着せがましく言いな がら、ボンレスハムもどきの『茶色と白の犬』 を、おらの目の前にに差し出した。 「なんでだよ〜〜!普通、弟と言うからには 色が同じじゃないのかっ!?」 「犬は黒が好き!だって言ってたくせに!!」 弟などと、適当な嘘ついておらに面倒みさせ ようとしているに違いない!! と、密かに母を軽蔑するよっきーであった。。 |
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にいちゃん♪♪あそぼ♪
ジャーーーンプ!! 「うぎゃ〜〜やめろ!飛びつくな!」 まったくもって、馴れ馴れしいこのボンレスは にいちゃん♪などと呼んで能天気な顔している が、おらとおめぇは兄弟なんかじゃねぇぞ! 念のため言っとくが、おら面倒なんか見て やんないぞ!自分の事は自分で面倒みろよ! おらの時はかあちゃんが面倒みてくれたのに おめぇも、かわいそうな奴やな・・。 と、ちょびっと同情するよっきーであった。 |
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多少の同情をしたのが
失敗の始まりだった。 ガジガジ、グチャッグチャ、アウアウ・・・ 世間、いや世犬しらずのこのボンレスガキは おらの自慢のゴージャスな耳毛をかじるわ 足をかじるわ、手加減知らずの礼儀知らず。 かあちゃんがチラチラ見てるから ぶっ飛ばすわけにもいかんし・・はぁ〜〜。 近頃の若いもんに、同情は禁物だという事を 力強く悟った!犬のよっきーであった。 |
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おらぁ、もうやだっ!!
こんな奴の面倒みるのは!! ボンレスガキに見つからない所に行くだ。 「よっきー、どうしたの?こっちにおいで。」 かあちゃんが、いつになく甘い声で呼んでる。 「やなこった!行かないよ〜だ!行くもんか」 おら、ここから絶対動かないぞ。 「ほ〜ら、骨あげるから〜〜おいでぇ〜〜」 その手には乗らんと誓うよっきーであった |
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おらのひとり天下だった
人生も・・もう、終わりだ。 これからは、お兄ちゃんなんだから!という 作為的な兄弟関係だけで、おりこうにして なんでも我慢しなきゃならないんだ。 奴は、すでにおらのおもちゃで遊んでる。 ずっとおらの指定席だった、かあちゃんの 膝の上も、すでに寝取られてしまった・・。 たった、1年だけの天下だった。あぅぅ。。 と、ガックリうなだれて部屋の中を彷徨い 孤独に浸る、よっきーであった。 |
マンガは友達のエリザベス三太夫ちゃんが描いてくれました。 |
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